第63章 バーが似合うのは大人だけ
「何かマジックでも披露しようか?♥️」
「……結構です」
「まぁ、そう言わずに。どうせ退屈だろ♥️」
彼は私の言葉も聞かずに種も仕掛けもありません、なんてマジックを目の前で披露し始めるが私はただ焦っていた
急いで取り出したスマホを開きイルミさんの番号を押そうとしたその時スマホは残酷にも充電を切らして真っ黒な画面に移り変わってしまった
「……うそやろ………」
私の気分迄真っ黒になる
このままでは不味いとカクテルを一気に飲み干し店を後にしようとしたその時
ヒソカさんが翳した手から新たなカクテルが現れた
「おかわりどうぞ♥️」
「わ、私、そんなにお金持ってないし帰ります!」
「ボクからのプレゼントなんだから気にしなくて良いんだよ?」
「良いです!!すみませ「もしかして……イルミにボクと二人きりに成っちゃダメ……なんて言われていたりするのかな?♦️」
「………!!!」
焦りや驚きで思わず固まるとヒソカさんは目前まで顔を寄せて怪しく口角を上げる
「クックックッ…………図星だね」
カウンターが彼を阻んで今以上に距離が縮まる事が無いのは幸いだ、
なんて妙に冷静に考えながらも私は答えられずにまた一口カクテルで喉を潤した