第57章 彼となら
しっかりとスウェットを持ち上げて広々としたリビングへ足を進めると
「随分遅かったな」
ホットコーヒーを片手に本を読んでいるクロロさんに
「沙夜子が放してくれなくて」
なんて誤解を招きそうな発言をするイルミさん
「ノロケはやめろ」
「沙夜子は随分積極的なんだね♥️」
「まぁね」
ヒソカさんに至っては完全に勘違いしているし否定しないイルミさんに一気に顔が熱くなる
かと言って否定すればする程真実味を帯びる気がして出来なかった
「お、おはようございます」
「おはよう沙夜子♥️」
「おはよう」
クロロさんは普段と変わらず爽やかな笑顔を向けてくれるがヒソカさんのねっとりとした視線に冷や汗をかく
そんな私を気にする事無く朝食を勧めるクロロさんのお言葉に甘えてテーブルに付くと
すかさず隣のテーブルに付くイルミさんと二人分の朝食がクロロさんの手によって運ばれて来る