第56章 ベッド
「………イルミさん」
小さく呼んでみるが反応は無い
私は少し迷って彼の背中にそっと触れてみる
じわりと熱い背中に彼も人間なんだな、なんて失礼な事が頭にちらつく
(……イルミさんも暑いんやん………)
私は勝手ながら彼の布団を足元迄捲ったのだが無防備に眠っている彼の背中に何だか良からぬ事をしている気分になり
直ぐに離れて自身の場所に横たわりその後直ぐに眠りに落ちた
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翌朝目覚めた私は驚きの余り固まる
目前に広がるのは彼の生肌で何が起きたのか現状を確認する為に目まぐるしく視線を動かす
私の右手は彼のジャージをしっかりと握り締めており、その為引っ張られる様にジッパーが下がって彼の上半身はヘソの辺りまで素肌が露になっていた
そして事もあろうに私の左手は胸板をまさぐっていたかの様に彼のがっしりとした胸元に添えられている
私は身体中から汗が噴き出すのを感じながらそっと両手を放し距離を空けようと身を捩って更に青ざめる