第56章 ベッド
しかし、店で相手する女性より警戒心が無くありのままが故に取っ付き安いというのも事実だった
「……面白いな、沙夜子は」
「………何、欲しくなっちゃった?♦️」
「いや、見守りたくなった!」
「……クックックッ………変態♥️」
「お前にだけは言われたくないっ!」
_____________"
客室に入るなり目に飛び込んで来たのはキングサイズのダブルベッドだった
彼の力のままに着いて来たのでずり落ち無い様にスウェットをお腹の上まで持ち上げたまま棒立ちする
普段隣合わせで眠ってはいるが掛け布団まで同じだった事は一度足りとも無い
当然の事の様にベッドの手前に潜り込み私を見遣る彼の視線とかち合う
「何してるの。」
「………なんやろ」
「沙夜子は其処で立ったまま眠るの?」
彼は単調に言うがその声色には棘がある様に感じるのは気のせいだろうか
「……いえ、お隣失礼します」
私は余りスプリングを軋ませぬ様にそろそろとベッドへ入る