第56章 ベッド
彼女の入浴中悪名高いゾルディック家の長男イルミは禍々しいオーラを発して俺達が彼女へ良からぬ事を仕掛けない様に警戒していた
そして彼女が風呂から上がると酷く眉を潜めた後に彼女の腕を強引に引っ張り早々に客室へ引っ込んでしまった
家族以外に執着せず、心の無い恐ろしい男だと思っていたがえらく人間味のある行動に俺は内心しほっとしていた
と、ヒソカは好奇心を含んだ嫌な笑みを浮かべる
「あの二人ってもう一線越えちゃってると思う?♦️」
「………さぁ、どうだろうな……恋人なんだしそうなんじゃないのか?」
「……恋人ね……♦️」
「………」
ヒソカが何を企んでいるのかは知らないが大方良からぬ事だろう
俺としては何事も無くこの休暇を楽しめればそれで良い
正直イルミに女が出来ようがどうでも良いのだ
彼女は馬鹿そうで単純で愛嬌がある、そして俺達の様に汚れていない為に輝いて見えるがこの世界には彼女の様な平凡な女性で溢れている