第55章 高層マンション
浮かれた気持ちは消え失せて素敵なBGMは只の雨音に逆戻りだ
「……大丈夫です。」
「……そう」
二人の住処に到着するまでにそれ以後会話は無かった
__________"
「先ずは乾杯!」
「乾杯♥️」
「お疲れ様です!」
「…………」
私達の住むアパートとアルバイト先の居酒屋との丁度中間地点に彼等の住処はあった
エレガントな雰囲気の高層マンションの最上階
広々とした室内は6LDKだとヒソカさんが教えてくれた
そしてこれまた広いリビングにどでかいバルコニー
晴れていたならばきっと綺麗な景色が拝めただろう
全ての部屋を案内して見せてくれるクロロさんに付いて回りすっかり楽しくなってしまった私の瞳はきっとキラキラと輝いているに違い無い
興味無さ気に堂々とソファーに腰掛け脚を組むイルミさんとは真反対だ
心底感心しながらキッチンの設備等の説明に頷いていると
痺れを切らしたイルミさんに促されてまたもや本題を見失っていた事に気付いた私は旅のしおりを取り出して説明を手早く済ませ様としたのだが
ゆっくり聞かせて欲しいとの彼等の要望でイルミさんの隣に腰掛け流れのままにアルコールを出されて現在に至る