第53章 奇妙なヒトコマ
よくよく見ると顔は私そのものだが身体は彼のままで膝が大爆笑レベルで震え出した
立派な骨格と鍛え上げられた肉体には実にアンバランスに私の顔が乗っかっていて骨格と顔が不安定でおかしい………
不出来なリアル人形の様な出で立ちに本能的な恐怖を感じざるを得ない
「……は………早く……戻って下さいよ……」
私は気が付くと大人とは思えない勢いで号泣していた
無理も無いと思う。
寧ろ恐怖の余り失禁するという最悪の事態を起こさなかった事を誉めて欲しい。
「針の効果で後二時間は戻れないんだよね」
「………ひぃっ…………」
私の顔から彼の声が発されるのは実に奇妙で短く悲鳴を上げる
それに加えて彼が何故私の顔に成っているのか意図も理解出来ず、更に彼は何故あの出来で良しとして平然としていられるのか……更なる恐怖を煽る
私は少しでも彼から逃げたくて風呂場へ逃げる事にした…のだが
「夕飯は?お腹空いちゃった」
「…………」
彼の言葉に振り返る事無く立ち止まる