第52章 程々が一番
農家の方に静かに!と注意されて居るのを脂汗をかきながら申し訳なく思いつつも
私は勝負に負けてしまったのでしっかりと吟味しながら苺を収穫した
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農園に隣接された建物にて苺を洗い
無料で提供されている練乳、チョコソース、チョコチップ、ケーキ、アイスクリーム等を二人分テーブルに運ぶ
「随分欲張りだね」
なんて言われたが様々な味で苺を楽しみたいと思うのは必然では無いだろうか
これまた無料で提供されているソフトドリンクからアイスコーヒーとオレンジジュースを選んで席に付く
「さ、何から食べよう!………まずはやっぱりプレーンですよね!」
「さぁ」
私は取れたて新鮮なあすかルビーを贅沢に一口で頬張る
その様子をじっと見詰めていた彼に笑顔を向ける
噛めば弾ける果汁はさっぱりとしているが濃厚で甘く爽やかな甘酸っぱさが広がった
「おいしーいぃ………!!」
私につられて彼も頬張る
「……酸っぱい」
なんて無表情に呟く彼はあまりお気に召していない様だ
「練乳付けたら甘くなりますよ!」
「………」
私に言われるままに練乳を付けて食べる彼は素直で可愛い
内心ニヤニヤしつつも彼に続いて練乳で苺を堪能する
やはり苺には練乳と定番化されている様に間違い無い安定した美味しさだった