第5章 外出先の彼は美形を超える
自転車の前かごと後ろに荷物を乗せて
帰りはゆっくりと歩いて帰った
イルミさんは時折興味有り気に色々な物を見ていた
その様子を眺めているだけでホッとして幸せな気分になる
何せ数時間前にはもう一生会えないと思ったのだから
(しかし…抱き締められてしまったな……。めっちゃドキドキした……。)
思い返すだけで赤面しそうだが、きっとイルミさんは根っからの長男気質なのだろうと思う
帰り道は特段会話も無かったが心地好い無言だった。
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荷物を一旦家に置き、今度は近所のスーパーに出向いていた
自転車に乗らないのか、と少しソワソワするイルミさんが可愛くて鼻血が出そうだったので近距離ながら自転車でやって来た
色々と食材を買い込みセレブな彼には悪いがお一人様一個までの特売トイレットペーパーを一緒に並んで買った
トイレットペーパーと彼は恐ろしく似合わなかった。
荷物をかごに詰めて両ハンドルにトイレットペーパーをかけていると
「俺も運転したい」
と、彼からの申し出があった
短い時間ながら、彼から何かをしたいと申し出るのは珍しい
一抹の不安はあるもののアニメを見ている以上、大丈夫だろうとたかをくくり愛車を託す事にした
予想は的中
彼はすんなり大量の荷物と私を乗せている自転車をマスターし、無事家までの道のりを走りきったのだった
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「イルミさん凄い!」
「まぁね」
本日二度目の得意顔をいただきました。