第50章 居酒屋来店
千鳥足とはいかないもののフラフラと歩くこんな私の姿を彼が見たら叱られてしまうのだろうか
心が沈むと同時に足がしっかり上がっておらずつんのめる
其れを咄嗟に腕を掴んで助けてくれたのはヒソカさんだった
「大丈夫?♥️」
「あ、はい……ありがとうございます」
真顔で屈んだ彼に覗き込まれて余計に目の前がチカチカとした
(……………あれ…………今………両手に花じゃない…………?沖縄旅行…………良い男を引き連れて歩けるんじゃない…………?!ふぉぉぉぉ!!テンション上がっぞ!あがっぞ!!!)
酔っぱらい特有の思考のブレから私はそんなヒソカさんに思わず笑みを向ける
勿論恐ろしくて脳内の言葉は口に出さないが
すると少し驚いた様に瞳を見開く彼と目が合いその後に何時ものニヤニヤ顔を向けられる
「沙夜子は本当に面白い子だね♦️」
「面白いのはクロロさんですよ!」
「何で俺だよっ!」
俯瞰で見ていたクロロさんのツッコミに笑い合いながら駅ビルを後にすると
遠目にでも不機嫌な雰囲気を纏った彼が待ってくれていた
一目瞭然に不機嫌ながらも私は彼に向かって駆け出す