第49章 おつかいでのヒトコマ
考えた事も無かったが思いの外種類が豊富で異性の自身が1つに絞るのは至難の技の様に思う
店内に居た人々の視線を浴びつつも男は場違いな棚の前で立ち尽くしていた
暫くして其所にやって来たのは何度か見掛けた事のある特徴的に腰の曲がった老婆だった
老婆は自身と似通ったコーナーへ立ち寄り1つ商品を手に取る
"漏れない安心大人用オムツ"
と書かれたそれは血液の量に左右されず利用出来る代物の様に映った
何より異性の自身が選ぶより老婆が選んだ物の方が同性な分確実に思う
男は老婆に細やかなお礼のつもりで何の害も無い針で神経を刺激させ姿勢を無理無く正させるツボへ素早く投げ刺し、同じ商品を手に取り購入を済ませた
老婆は驚いた様子で絶叫していたが放っておく
帰宅して同居人にどう手渡すか悩んだが労いの言葉と共に品物をそっと床へ置いた
同居人はさぞ喜んだ様子だったので選択は間違っていなかった様で男は大変満足感に満ちた気持ちで初めてのおつかいを終了させたのだった