第47章 女は色々大変です
5月のとある休日
「おはよう」
「おはようございます」
起床すると普段より随分と重く感じる身体を無理矢理に起き上がらせてガンガンと痛む頭に熱があることを確信した
数日前から喉に僅かな違和感は感じていたが突然の悪化に最早手遅れだ
その上不順な為に油断していたが下半身の痛みから酷い生理痛を予感させる
ふらふらと覚束ない足取りで個室に入ると予想は的中していた
「最悪…………」
トイレの棚を探るが生理用品が一向に見当たらない
ふと蘇る先月の記憶、全て使い切った頃に丁度月経も終わりそのまま買い置きした記憶は無かった
正に絶望とはこの事である
頭を抱えて応急措置にトイレットペーパーを挟んで布団に戻るがこんな物は時間の問題で後々大変なのは自分に変わりない
(………行くか……)
酷い目眩に吐き気すら覚える中再び起き上がると彼は此方を見据えて問いかけた
「体調悪いの?」
「はい」
不意に近寄った彼は私に体温計を差し出し計る様に促す
大人しく従い電子音が終わりを告げて割り出された数字は39.8℃だった
しんどいに変わりないが具体的に数字を出されると益々体調が悪化した様な気がして身体は熱いはずなのに冷や汗が額を流れる
「今日はじっとしてなよ。仕事休みでしょ」
彼の気遣いは嬉しいのだが私はどうしても買い物に繰り出さなければならない
昨日に面倒でサボったが故に食料も無いのだ
昨日の自分を蹴り上げて買い物へ行かせたい……等とぼんやり考える