第46章 焼き肉屋のヒトコマ
暫くしてやって来た肉を網に寝かせるとジュッと食欲をそそる音がして直ぐに良い香りの煙が上がる
トングでひっくり返せば程よく色付いた網の跡に思わず唾を飲み込んだ
「焼き肉焼き肉!!!めっちゃ美味しそう!」
「沙夜子落ち着いて」
と言いながらも肉をガン見するイルミさんが愛しい………
焼き上がった其を各々のタレに付けて口に含む
ジューシーな油とニンニクの効いたタレが絡んで至極の味わいを生み出した
「うまーっ!!」
「うん。美味しい」
その後玉子スープとアイスクリーム迄堪能して私はすっかり満腹になった
彼はというと肉を何度も追加注文した後にしっかりと石焼ビビンバとユッケジャンスープを平らげて杏仁豆腐まで堪能していた
お会計は恐ろしく二人で3万円近く使ってしまったがそれだけ満足出来たので良しとしよう………
翌日出勤した私は藤木から
「ニンニク臭い!今すぐ帰れ!歩く公害!!」
とマジトーンのクレームを浴びせられたが心は実に穏やかだった