第47章 女は色々大変です
「……でもお買い物行かないと」
「俺が代わりに行く」
「えっ……私全然大丈夫ですよ。私行きますから」
「良いから沙夜子は寝て」
起き上がろうとすると彼の片手に軽く肩を押されて力無く布団へ引き戻る
彼の言葉に甘えたいのは山々だが生理用品を彼に購入されるのは乙女として羞恥の限界を超えており
更にはそれを彼に購入させる等レジの人の視線を想像するとかなりいたたまれ無い状況だ
昨日の自分を蹴り上げたいに変わりないが先月の自分をぼこぼこにタコ殴りにしてやりたい…………
「………でも!」
意地でも引き下がる訳には行かないと声を上げれば
「沙夜子、俺に任せて」
有無を言わさない声色で言い聞かせる様に言われて口ごもる
私は苦肉の策でおつかいリストを作成しその中のひとつにひっそりと生理用品を書き込み彼にメモを手渡した
「じゃあね。行ってくるよ」
「行ってらっしゃい、すみません」
不安と恥ずかしさと気まずさにどうにか成ってしまいそうだ、なんて考えていたが衰弱した身体は休息を求めていて気が付く頃にはすっかり深い眠りに落ちた
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「………沙夜子、…沙夜子…」
彼の抑揚の無い声に呼び起こされて重たい瞼を開く
時計を見ればあれから二時間程経っており随分深く眠っていた事を知る
「とりあえずこれ飲んで」
手渡されたスポーツ飲料を言われるがままに飲むと思いの外冷たく喉が乾いていた様で一気に半分程飲み干した
「ありがとうございます」
「………それとこれ」