第43章 他愛ない会話
テーブルには綺麗に並べられた魚達
彼はものの見事に全ての魚を完璧に捌いてみせた
「食べよう」
「はい!ありがとうございます!」
意外だった
彼はある物事には特化して知識があるものの料理部門に関しては玉子も割れなかった程何も知らなかったのだ
とんでもない格好で魚が突き出されても驚かなかった
綺麗に捌かれた魚を目の当たりにする方が衝撃だ
カワハギと鯛はお刺身
もう一匹の鯛は煮付けにした
他にも沢山の魚を釣った彼だが食べ切れないだろうと言う事で命を無駄に奪う必要は無いのでリリースした
新鮮なお刺身にわさびを溶いた醤油を付けて一口含めば
普段買っているスーパーに並べられたものとは比べ物にならない程プリプリの歯ごたえにじわりと甘味が広がる
「やばっ………!!めっちゃ美味しいですね!」
「美味しいね」
「カワハギもめっちゃ美味しい!!」
「うん」
私達はあっという間に平らげて道の駅へ移動し、車中泊の用意を着々と進めていた
自宅から持参した布団をフルフラットにした後部座席に敷いて其々枕と掛け布団をセットした