第38章 寂しさと愛しさ
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翌日私達は嵐山に来ていた
昨日混浴を済ませた後、自宅と変わらず楽しくお酒を飲んだ
彼はその後ノーマルモードで甘い雰囲気には一切ならなかった
今も隣を歩く彼は涼し気だ
「イルミさん!撮影楽しみですね!」
「………俺は楽しみじゃないよ」
「でも付き合ってくれるんですよね!ありがとうございます!」
「……沙夜子が聞き分け無いから仕方ないよね」
「………すみません。でも楽しみです!」
撮影とは花魁姿と袴姿で撮影してくれる事で
ずっと憧れていた花魁体験のカップルプランを申し込んでいたのだ
旅行プランを立てていた時点で渋々了承してくれた彼に少々不安を覚えつつも
長年の夢だったので足取りは軽い
いざ撮影場所に到着するとかなり混雑しているのも相まって目まぐるしい
本格的な厚化粧をしてもらい髪をセットしてもらい綺麗な着物を着付けてもらえば鏡に映る自分はまるで別人だ
この姿を彼に見せるのは緊張するものだが、綺麗ですよ!なんてお世辞をくれるメイクのお姉さんにお礼を言いつつ撮影まで待機するために彼と控え室で対面する