第37章 宿の男女
次いでやって来たのはこれまた有名観光地、金閣寺だ
晴れているのも手伝って池に反射する光景は何とも美しく何時までも眺めていたいと思うが観光客の波がそうはさせない……
次々流れるままに観光を終えてしまいぐったりしてしまった
時計を見れば14時を過ぎた頃で休憩を兼ねて静かな佇まいの和食屋さんへ入った
注文したのは京御膳
少々値は張るが旅先ではそれらしい物を食べたいと思ってしまうのは私が食い意地が張ってるだけかもしれないが……
店内は昼時を過ぎた頃なので客足は落ち着いており中庭のししおどしの音が響いている中、優雅な気分で御膳を平らげた
店を出ると彼は当然の様に腕を差し出してくれてキュンとする
普段と変わらない彼だが満更でも無い表情に頬が弛んだ
本当の恋人同士みたいだ……なんて考えたが口には出さなかった
その後石塀小路を散策した
人通りの多い通りを一歩入れば風情のある京都を感じられ隠れ家的なカフェやお洒落な雑貨屋さんは見ているだけで楽しかった
何より隣に彼が居ると言うだけで景色が全て輝いて見えた