第34章 牧場の動物達
厩舎へ足を踏み入れると沢山の馬が出迎えてくれた
優しい眼差しの瞳が可愛くてニンジンを差し出すと食べてくれる
「美味しいー?可愛いなぁ!……はい、イルミさんも他の子にあげてくださいね」
「………」
彼は無言のままニンジンを手に持ち隣の馬へ差し出す
私は餌を食べようと出て来た馬の頭を撫でた
暖かくてしっかりした毛並みが指先に流れてテンションが上がる
「イルミさんもなでなでしてあげてくださいっ!暖かいですよ」
彼が一体何を考えたのかは私には解らないが彼は事もあろうに私の頭を撫でた
「……………ちゃうなぁ」
不意の出来事にドキドキしたが
違う。そうじゃない。
「イルミさん、お馬さんを撫でましょう」
「………」
彼は私に言われた通り馬を撫でる
厩舎を進むと季節柄、子馬もいてめちゃくちゃ可愛い
私はテンションのまま沢山餌をやりイルミさんに分配するのをすっかり忘れていた
「すみません………」
「別に」