第32章 花見で一杯
4月のとある夜
世間の入社式や入学式等のイベントに当然ながら一切関わらずに桜が見頃を迎えた
私達はお正月に一緒に歩いた桜並木の在る公園へやって来た
平日なのでお互い仕事を終えてコンビニでお酒や食べ物を買い込みライトアップされた桜並木が見えるベンチに並んで腰掛けた
以前訪れた時より随分暖かくなったと感じる
花見をしようと考えるのは勿論私達だけでは無く、沢山の人々が桜目当てに行き交っていた
敢えて平日にして良かった
「綺麗ですね!」
「そうだね」
「とりあえず乾杯しますか!」
「うん」
仕事終わりに飲む酒はやはり旨い
一口含めば喉を通るアルコールに自然と笑みが漏れる
やはり私は酒好きの様だ
「沙夜子はお酒呑んでると幸せそうな顔をするよね」
「そうですね~私お酒大好きですもんっ」
「見てれば解るよ」
私の横顔を眺めていた彼に指摘される程だ
余程にやけていたのだろう