第3章 無事終了
意識が浮上して状況が読み込める様になった時
至近距離で覗き込む彼に目が眩み、まるでラピ◯タの
目が!目がァァァァァッ!!!みたいになってしまったのは仕方ないとして
(イルミんを不安にさせないゾっ♪)
という目標の元、彼の疑問、質問に答えた
文字は私が一文字ずつ「あ!い!う!」と発音しつつ紙に書くのを眺めながらイルミさんも隣で同じ様にハンター文字を同じ配置に書いて行った
完成した表は二枚重ねてホッチキスで止めた
捲ればどれが何の平仮名か直ぐに解るだろう。
カタカナなんかも同じ要領で教えた。
素直に私に習い発音しながらペンを走らせるイルミさんはびっくりするほど可愛かった。
その後、この世界のルール等を教えたりしていた時の事
「ねぇ、俺働きたいんだけど」
「うーん…身分証が無いと厳しいんじゃないですかね」
「殺し屋するのに身分証なんて必要なの?」
私は思わず一口含んだお茶を吹き出しそうになった
「ッ……いや!あかん!聞いてました?!この世界では殺人は罪!逮捕されるんですよ」
「俺の世界だって殺人は一応犯罪だよ。沙夜子の世界には殺し屋は居ないって事?」
くりっと首を傾げる仕草は可愛いのだが、内容が物騒である
「うーん… おる事にはおるんやろうけど…… 公の場で殺し屋!みたいなんは無いし、ましてやイルミさんの世界みたいに殺し屋さんの家が観光名所になったり有名人みたいに名前が知れてる!みたいな事も全く無いです 」
「ふーん、そうなんだ」
私の話しを聞き終わり興味無さ気に呟いたイルミさんだったが
「俺、暗殺以外何も出来ないんだけどな」
と言った彼の声は何処か悲しくて
そして、私は何もフォロー出来ないくらい彼を知らなかった