第30章 四月馬鹿で自覚する
「…………」
無言の彼に不思議に思い顔を上げると真顔で私を見据えていた
(やばい……普通にバレたな)
「そうだったんだ」
あれ…………??
彼の反応は私の言葉を真剣に受け止めた様に聞こえる
座椅子に座った彼だが
私はお姫様抱っこのまま解放されずイルミさんの上に座っている状態で非常に気恥ずかしい
早い所ネタバラシしようと私が口を開いたと同時に衝撃的な言葉が私に降りかかった
「俺の子だよね」
「!?!?」
余りの衝撃に言葉を失う私を他所に彼は続ける
「身体冷やしちゃ駄目だよ。それに栄養のあるもの食べないと。………あ、お酒も禁止ね」
「えっとあの、イル「安心しなよちゃんと認知するから」
「あの!イル「あと、仕事も全部辞めなきゃね俺が稼ぐし」
「イルミさ「大丈夫。責任は取るよ」
彼の膝上で座ったままの私は開いた口が塞がらない
私の耳には次々と嬉しい言葉が届くが想定と違い過ぎて真っ赤な顔は今にも爆発しそうだ
「あの!イルミさん、その…っ………私達……っ授かる様な事して無いですよね……!」
「…………本当だね」
はたと我に返った様子のイルミさんは私をじっと見詰める