第27章 星を見るのも乙なもの
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プラネタリウムは上映時間を迎えリクライニングシートに座って素敵な星の世界を楽しんだ
久しぶりに見たプラネタリウムはやはり吸い込まれそうに美しく見入っている内にあっという間に終わってしまった
「行きたいかも」と言った彼だが楽しめただろうか
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まだまだ寒い夜空の下
私達はベランダに出ていた
押し入れに仕舞い込んでいた天体望遠鏡を引っ張り出して月を見てみるとくっきりとクレーターまで見て取れる
誕生日に天体望遠鏡を貰い困った末に誰かに譲ろうと迷っていたが置いていて良かった
「すごいはっきり見えますよ!」
彼も私を真似て望遠鏡を覗き込む
「本当だ」
「………プラネタリウムどうでした?」
「良かったよ。……あ」
突然何か思い出した様に抑揚無く声を上げる
「………?」
「俺、星を見るのは好きかな」
「そうですか!イルミさんの好きな事第1号ですね」
「うん」
「これからも好きな事いっぱい見付けましょう!」
「うん」
彼の些細な変化が嬉しくて見上げた夜空の星がいつもより輝いて見えた