第11章 〜新しい朝〜※R18
零さんがお風呂から上がって、今日気になっていた事を零さんに打ち明ける。
『零さん、あの...。今日ずっと上の空ですけど、どうしたんですか?』
零「あ、あぁ、別に真恋音の気にする事じゃない。」
『些細なことでも良いですよ。私でも力になれるかもしれません。』
引き下がらずにそう言うと、零さんは眉を寄せて、はぁ...とため息を吐いた。
零「些細なことじゃない。とても大きな事だよ。」
『え?』
零「明日、引っ越したが終わった後に、公安に来いと言われて。今まで溜まっていた書類を処理しないといけないんだが、それが1ヶ月位、公安に缶詰めになるかもしれなくて。」
『新しい所に私を1人にするのが不安ですか?』
零「なんで分かるんだ。」
『だってそうでしょう?私が居なかった時は徹夜なんて当たり前だったのに、私が居るとそれが出来ないのは、原因が私しかないからで。私なら大丈夫なので、行ってきて良いですよ?仕事だからまず断れないだろうし、大尉もいますし。』
それに、不安なのはこっちも一緒で、でもこれからのことを考えたらこれも練習になるし。大事な仕事の邪魔をしたくない。
零「じゃぁ、 今日2週間分、愛してもいいか?」
『1ヶ月分じゃなくて?』
2週間でその仕事量を終わらせるつもりなのか。
零「いや、帰ってきてから残りの2週間分、愛そうと思って。」
この人ほんとにとんでもないこと、さらっと笑顔で言うんだな。イケメンは何しても許される...。
『じゃぁ、お風呂入ってくるので、髪ちゃんと乾かして下さいよ。』
零「待ってる。」
お風呂に入りながら、零さんの悩み事がそれだけじゃ無いような気がして、でもきっと気のせいで、もし嘘を吐かれていたとしても、きっと零さんなら、あとから話してくれる。そう信じながら、その夜は零さんに抱かれた。
チュンチュン────
日が昇り朝が来て、私達は零さんの車に乗っていた。
零「よし。じゃぁ行こうか。」
『ドライブみたいですね、ここから何分位の所にあるんですか?』
零「結構遠かったと思うけど、1時間も掛からないんじゃないか?」
車の中でずっと手を握りながら、私達はマンションへと向かった。