第11章 〜新しい朝〜※R18
私は車の中で一眠りしていたようで、目が覚めたら見知らぬ駐車場に車は止まっていた。
零「起きたか?今着いたばかりだから、中に荷物を運んでくれないか。もうすぐしたら頼んでいた家電とかも届くと思う。あ、ほら噂をすれば。」
零さんが指を指した先には、大きなトラックが1台、こちらの駐車場に入って来ていた。
零「とりあえず。鍵、渡すから。これで開けてきて。」
『はい...。』
まだ眠い頭を無理やり起こして、マンションの一室へと向かう。先程の運送会社の人と零さんが駐車場で話していたようで、家具をもう運び始めていた。
運「失礼します!ここで合ってますか?降谷さんのお宅は!」
『あっ、はいっ。ここです。』
零「真恋音!大尉を中に運んでやってくれないか〜!?」
『はいっ!今すぐ行きます!』
駐車場からそう呼ばれて、私は階段を降りて行った。下に着いて、零さんから大尉が入っている籠を預かり、私は再び上へと階段を上る。
『はぁ...はぁ...。やっと、着いた。』
階段を往復しただけで息切れなんて、最近は体も怠いし、微熱が続くし。
『どうしちゃったんだろう。』
零「真恋音?顔色が悪いな。大丈夫か?」
大尉が入っている籠を預かりながら、顔を覗かれ、そう心配される。
『大丈夫です。引っ越しはまだまだこれからなので。』
そう言うと、そうかと一言だけ告げて頭を撫でられた。
零「きつかったらすぐに俺に伝えろ。」
『はい...。』
取り敢えず、運送会社の人に頼んでいた家電と家具を運んで貰い、領収書だけ受け取って、あとは自分達で片付ける事にした。足りないものはあとから買い足していくつもりだったので、すぐに片付けも終わった。
新しいお家は2LDKで、リビングには大きなテレビと二人がけのソファ。ダイニングには2人用のダイニングチェアとテーブル。そしてカウンターキッチンの方には大きな冷蔵庫と電子レンジとトースター。脱衣所には洗濯機兼乾燥機。寝室には小さなテレビとキングサイズのベッド。どれもこれも新品で全てが真新しかった。
零「これだけ揃ってれば一先ず安心だな。あとは食材を買いに行こうか。」
『はい...近くにスーパーはありますか?』
零「いや、少し離れたショピングモールに行こうか。まだ時間もあるし、買いだめしてた方が良いだろう?」