第2章 〜初めての感情〜
家に帰り着いた頃には、変な動悸も収まっていた。
あの人安室さんって言うんだな、下の名前は透だっけ?綺麗な青い瞳だったなぁって、さっきから安室さんの事ばっかりじゃない。
来週から、咲璃愛は研修か。いつもは教授と一緒なんて耐えられない!とか言うくせに。今回は沖矢さんと一緒だからか、何一つ嫌だとか、行きたくないとか言わなかったな。
『私も、レポートまとめちゃおう。』
今は動物愛護団体を設立するにあたっての、法律や事業方法を簡単にまとめなければならない。
NPO法人と個人ボランティアって何が違うのかな。と、色々考えてるうちにいつもの時間がやってきた。
?「にゃ〜。」
カリカリ────。
来た来た。と、ノートパソコンに向かっていた全体をくるっと反転させて、玄関の方へ向かう。玄関のドアを開けるとそこにはいつもの三毛猫、りんがいる。
『今日も来たね。はい、ご飯。いっぱい食べてくんだよ。』
り「にゃ〜お。」
りんがご飯を食べ終わるのを待って、頭を撫でた後、じゃあねと一言声をかけ、にゃ〜と返事をして去っていくりんを見送り、ドアを閉めた。
『ふぁ〜。お風呂入って寝よう。今週中に咲璃愛とポアロに行けるかな。』
ピコン────。
咲〈研修の前日の日曜、私、時間あるけどポアロ行ける?午前中になるんだど!〉
流石親友。以心伝心。
《大丈夫だよ!その日1日休みだから!》
ピコン────。
咲〈じゃ、待ち合わせは今日と一緒で10時ね!〉
《了解!日曜、10時ね!》
送信、っと。
楽しみだなぁ、今日はお風呂入って寝て、明日から頑張ろっと。