第2章 〜初めての感情〜
時は過ぎ────、日曜10時40分。
咲璃愛が来ない。連絡も無い。どうしたんだろ。何かの事件に巻き込まれたのかな。
ピコン────。
咲〈ほんっとにごめん、今朝教授に呼ばれてポアロに行けなくなった、連絡も遅くなって、ほんとに、ごめん。今度何か奢る!〉
『え、うそ。どうしよう。』
ハムサンド食べたいし、一人で行こうかな。でも勇気が出ない。なんの勇気かも分からないけれど。
《分かった、とりあえず駅前をうろちょろしとくよ。ポアロに行くかはその間考える!埋め合わせお願いね。研修の事も根掘り葉掘り聞いてあげるから!笑》
駅前をうろちょろして見る。洋服屋さん、ドーナツ屋さん、カラオケ、ファミレス。うーん。やっぱり、ハムサンド食べたいからポアロに行こうかな、勇気出ないけど。
とか思いつつ、足早にポアロまでの道のりを歩いていく。毛利探偵事務所が見えてきた。その下に、小学生の団体と高校生位の男の子と女の子2人を見かける。何やら少し話しているようだ。暫くして小学生の団体は男の子だけ残り、あとは反対方向に向かって歩いていく。高校生3人と小学生の男の子はポアロに入って行った。
続いて私もポアロに入る。
リン────リン。
いつ来ても違う鈴の音。
梓「いらっしゃいませ!あ、真恋音さん!」
『こんにちは、今日は一人なんです。咲璃愛にドタキャンされてしまって。』
今日は一人なのでカウンターの席に座る。
梓「まぁ、それはそれは。何か飲み物サービスしますね。ご注文は?」
『ハムサンドと、あ、この新作の抹茶のオペラで。』
梓「ハムサンドと抹茶のオペラですね、少々お待ち下さい。」
今日は安室さんいないのかなぁと、カウンターの奥を覗き込むと、梓さんと安室さんが親しげに話していた。ちくり、と胸が痛む。なんだろう、ここに来ると変な気持ちになるな。やっぱり、何かの病気なのかな。
蘭「あっ、ちょっとコナン君!」
『え────?』