第10章 〜零との日常〜※R18
零さんが退院して数日後、私達は役場に婚姻届けを出しに来ていた。
零「これで今日から、恋人から夫婦になれましたね。この後は知り合いの建築家の所に行きましょう。家を建てて貰うんです。」
『それは初耳なんですけど...。』
零「ええ、素晴らしい家を建てて貰いましょう、1級建築家さんなので、すごく立派な設計をしてくれると思いますよ。」
『ほんとですか?』
マイホームなんて夢だと思っていたし、まさか零さんとずっと一緒に住めるなんて。
零「なぜ僕が嘘をつくんですか、ホントの事ですよ、これでまたひとつ夢が叶いましたね、これからはずっと一緒ですよ。」
『でもその前に家を建てるのには時間が掛かるので、マンションを借りなくちゃ行けないですよね?』
零「そうです、だからそれはまた後日。それまではホテル暮らしで良いでしょう?」
『ええ、構いません。』
事が淡々と進み、私達は一級建築家さんのお家へと向かった。零さんの車、あの維持費のかかる車はもう廃車にして、新しい車の助手席に乗って、立派なお家の前で止まった。
零「ここですよ。」
『すごく素敵なお家ですね...!』
洋館の様な立派な立ち住まいに、大きな門と立派な車庫まであって、周りは白全体でまるで、式場の様なお家だった。
門から入って、右側が車庫だったので、左側からぐるりと立派な階段を上って大きな扉の前に来た。
零さんが慣れたように呼び鈴を鳴らすと、可愛らしい女の人の声が聞こえた。
?「はい、どちら様?」
零「今日、ここの主人に設計を申し込みに来ると伝えておいた、降谷と申します。」
?「あなたー、降谷さんて方がお見えになってますよー。」
?「ああ、零くんだろう、すぐに向かう。」
そんな会話が聞こえてきて、すぐにガチャッと大きな扉が開いて、可愛らしい女の人と、優しそうな男の人が出てきた。
?「このお連れの方が最近嫁に迎えたという彼女さんかな?」
零「ええ真恋音さんです。龍平さんの所も綺麗な奥さんですね。」
綺麗な奥さん...。
龍「ああ、彼女さんに紹介してなかったな、私は桜川龍平、こっちは妻の美咲だ。零くん、綺麗な奥さん等とほざいていたら、彼女さんが嫉妬してしまうぞ。なあ?美咲。」
美「ええ、女は嫉妬深い生き物ですのよ。」