第8章 〜最愛の人〜
5年後────
チュンチュンッ...
窓から光が差す。今日は日曜日。幼稚園はおやすみの筈。
?「ママ、起きてっ!ご飯もうすぐ出来るよ!あとひょうくんのオムツ変えてっ!」
私を呼ぶ子供の声...。
『んっ...。もうちょっと...。』
零「真恋音、ほら、起きて。ハムサンド出来たよ。」
あぁ、大好きな人の声...。
『おはよう、由良、零。』
由「ママやっと起きた〜っ!ほらひょうくんのオムツっ!」
『はいはい、今すぐ行くよ。』
私は毎日、幸せな朝を迎える事が出来ている。5年前、零と結婚して直ぐに妊娠した。悪阻は酷いし、貧血も酷くて、辛い妊婦生活だったけど、零と2人で乗り越え、18時間の陣痛に耐えて、長女の由良を出産した。そして間もなく、長男の彪雅を出産。今も3人目を妊娠しているところだ。
『ひょうく〜ん、オムツ変えるね〜。』
彪「ママ!パパ、どこ!」
『パパは、ねぇねと遊んでる。』
彪「ひょうくんも、ねぇねとパパと遊ぶっ!」
『はいはい。パパはいつも人気者ですね〜。』
こんな風に幸せな生活を出来るのは、いつかポアロで出会った、あの少年のおかげ。江戸川コナンくんだったか。あの少年が沖矢さんと犯罪組織を壊滅させてくれたらしい。それから、テレビで工藤新一君の活躍を目にするようになった。毛利さんとこの娘さんも空手で活躍されているらしい。安室透と関わった全ての人間と関わらない様にしている。勿論、咲璃愛達もだ。全く知らない遠い場所で、私と零と子供達と生きる事にした。
『零、大尉は何処にいるの?』
零「大尉は、猫用のベッドで寝てましたよ。雪と。」
大尉と言えば、お嫁さんを迎えた。真っ白の猫の雪だ。でも三毛猫のオスは性欲がないので、お嫁さんと言っても、友達感覚だろうけど、雪とは相性がよく、仲良くしている。
『大尉、雪。ご飯ここに置いとくね。』
大尉は、チラッと私の方を見て、また眠りについた。
それから私達は、零が作ってくれた、ハムサンドを美味しいねって言いながら食べて、公園に出かけて、お昼ご飯は公園で零が用意してくれていた、お弁当を食べて、夜ご飯の買い物に行って、夜は私が作ったクリームシチューを食べた。