第8章 〜最愛の人〜
由「ママが作るシチューはいつも美味しいねっ!」
零「パパが作るハムサンドとどっちが美味しい?」
わー、意地悪な質問。由良はチラッと私を見たあとに、言葉を詰まらせながら、どっちもと答えた。
『ほんとに〜?パパの方が美味しいでしょ。ママもパパのハムサンドの方が好きよ。』
由「ウソじゃないもん、ホントだもん!パパのハムサンドも美味しいけど、ママが作るシチューも美味しいよっ!」
『あはは!必死だねっ、ありがと、由良。』
楽しい会話をして、子供たちをお風呂に入れて、寝かしつけ、私は零と寝室で2人きりになる。
零「真恋音、こっちに来て。」
『うん?どうしたの?』
零「いや何でもないんだけど、本当に俺と一緒になって幸せなのかなって思って。」
度々来る質問。それに私はいつもこう答える。
『あの時、零と一緒じゃなきゃ、私はダメだと思ったの。いつも言うけど、零はもっと自信を持って?私と子供たちを守ってくれるんでしょう?』
零「それなら良いんだ。俺も真恋音じゃなきゃダメだと思ったんだ。それに、本名を知ってるのがあの時、公安の皆と真恋音だけだったからね。」
私達は式も挙げぬまま結婚した。挙げたとして、誰1人招待出来る人がいなかったからだ。咲璃愛達とも何年も連絡を取っていない。取れなかった、の方が正しいけれど。
『何でもいいの。これから先もずっと零と子供たちの傍にいて、幸せなら。それでいい。』
零「うん、俺も。」
そう言い合って、私達はキスをした。優しく、優しく、幸せを噛み締めるように。これから先もずっと一緒に居られます様にと、お互いに誓って────。
『透さん、愛してます────。』
透「ええ、僕も真恋音さんのこと、愛してます。」
〜END...?〜