第7章 〜組織の一員〜
私はタクシーを降りて、警察病院の中へ入ろうとした。
警「ちょっと貴女!勝手に入られては困ります!お名前は?」
『一ノ瀬です!さっき電話があったんです。降谷零さんの件で!』
警「一ノ瀬さんですか。どうぞ、話は伺っています。入ったら案内人の方がいると思うので、そちらの方にもお名前を言ってください。」
降谷さんの名を出したら、気の毒そうな顔をされた。中に入って、案内人の方に名前を言い、とある部屋へ案内された。
『失礼します。』
?「どうぞ。」
ガラガラッ────
?「一ノ瀬さん、ですよね?俺は風見です。降谷さんの直属の部下です。」
『それで、透さんの容態は?』
風「ま、まぁ落ち着いて下さい。焦る気持ちも分かりますが。まず、聞きたいことがあります。貴女は安室透と言う人物が実は公安警察だと言うこと知っていました?」
『知ってました。でも誰にも言っていません。信じてください。』
風「別に疑っている訳ではありません。それと、降谷さんの恋人で間違いないんですよね?」
『間違いありません。』
風「では、お話しましょう。降谷さんに何があったのか。」
風見さんは私にこう説明した。透さんが犯罪組織にスパイだとバレて、銃殺されそうになった所を間一髪、崖から落ちて海に転落した事。それでも捜索に時間が掛かり、岩陰に透さんの姿を発見した時にはもう既に意識が無かったこと。今も戻っていないらしい。
『信じられません。約束したんです。ずっと一緒にいるって。』
風「分かってます。知ってますよ。真恋音さん、真恋音さんって、公安に顔を見せた時には、真恋音さんの話ばかりでしたから。1度お会いになられますか?2度と意識が戻らないかもしれないので、今のうちに会うことをお勧めします。」
『いやっ...、いやです!そんな別れの準備みたいにっ...。』
風「毎日、面会に来る事も可能ですので。お会いになられて下さい。透さんも意識がもどるかもしれませんよ?」
私は渋々、透さんの病室へ向かった。