第7章 〜組織の一員〜
ウォッカ?この人達、まさか────。思いかけて何を言うまいと、私はしらを切った。
ウ「おい、あんたなんでここに居るんだ?」
ウォッカと呼ばれたその男は私にそう聞いた。
『この子のボランティアで、時間がある時に餌をあげに来てたんです。合鍵も預かってますし。貴方達は?』
?「それはお前が知らなくていい事だ。家主の仕事仲間さ。さぁ、今すぐその猫を持ってこの家から出ていけ。」
『大尉、行くよ!』
私は逃げるようにその場を去った。マンションを出てすぐに、車の中に乗っている女の人に声をかけられた。
?「あら、あなた。この間の?」
『あ、あなたは...!』
この間、私達の喧嘩の元になった女の人だ。
?「その猫の飼い主なら、生きてるかどうか分からないわよ。」
『えっ...?』
?「ただのボランティアなんでしょう?まさかあの男に惚れてた?なんてね。早く帰りなさい。あんまりここにいると危ないわよ。」
私は急いで、大尉を連れて家へと帰った。透さんが生きてるかどうか分からない?殺されたのか。でも、そしたら、どこにいるの!
『透さんっ!お願い出て!』
私は透さんに電話をかける。
「ただいま、電源が入っていないか、電波の悪いところにあるため、お繋ぎ出来ません。」
『なんで...、なんで出ないのっ、透さんっ!』
私は何度も何度も電話を掛けた。でもその電話に透さんが出ることは無かった。毎日起きてすぐ透さんに電話をかけて、時間がある時はずっと透さんに電話をかけていた。そんな生活が数日間続いて、とある番号から、電話が掛かってきた。
『もしもし、一ノ瀬です。』
?「もしもし、警察病院です。一ノ瀬真恋音さんのお電話で合っていますか?」
『は、はい。』
警察病院から?透さんに何かあったんだ。
病「降谷零さんが、先日、重体患者として警察病院に緊急搬送されました。降谷さんが持っていた携帯に、貴女の電話番号から何回も電話が入ってきていたので、お話の方を伺いたいのですが、警察病院に来ていただけますか?」
『降谷さんの容態は!?』
病「そちらの方も病院にて話させていただきます。お待ちしております。」
そのまま、電話は切れた。私は急いで、透さんが運ばれたと言う、警察病院へと向かった。