第6章 〜本当の正体〜※R18
咲「良かった〜、じゃあ、日取りが決まったらまた連絡するね!」
『うん!じゃあね〜。』
咲璃愛、大丈夫かな。透さんに咲璃愛が妊娠してること言ってないや。絶対に行く!なんて言ったけど、沖矢さんと透さんって仲が悪いんだよね。大丈夫かな、不安だな〜。
透「お風呂上がりました。あ、さっき伝え忘れてたんですけど、電話が鳴ってましたよ。」
『大丈夫です!咲璃愛からでした。それで、その。ちょっとお話がありまして。』
透「はい?何ですか?そんなに改まって。」
『あの、実はですね。咲璃愛、沖矢さんとの子供を妊娠していて、授かり婚をするらしくて、小さな挙式に私と透さんが呼ばれたんですけど、行ってくれますか?』
透「それは、何か事情があっての事なんでしょう?真恋音さんが辛そうな顔をしている。結婚っておめでたい筈なのに、なぜそんな顔をするんです?」
『咲璃愛が、結婚のことで家族と揉めてるんです。あの子、間野グループの令嬢だから。』
透「そうだったんですか、それは初耳です。でも、祝う方がそんな辛そうな顔をしていたら、祝われた方も悲しいでしょう?咲璃愛さんの親友は真恋音さんなんですから。」
『そうですよね。笑顔で祝福しなきゃ!』
少しだけ笑顔を見せると、透さんに抱きしめられた。
透「僕達もずっと一緒に居れればいいのに。」
『私も思ってました。透さんとずっと一緒に居られればいいのにって。でも透さんは難しい立場で、そんなこと出来ないって分かってるのに、私達、わがままですね。』
そうなんだ。彼はとても難しい立場。私が一歩踏み込んで仕舞えば透さんも私だって殺されるかもしれない。周りの人間にも危害が及んで、咲璃愛もその子供達も。みんな居なくなるかもしれない。そんな不安だけ毎日押し寄せてきて。でも、
『透さんが守ってくれるんでしょう?』
透「はい。ずっと一緒に居られるように、守ります。」
少し触れるだけのキスをした。これからもずっと一緒にいるんだよと約束するように。
透「僕だけの真恋音さんです。他の人に何か渡さない。」
『それはこっちの台詞ですよ。イケメンさん。』
わたしは透さんの鼻をつんっとした。ナンパされてたくせに、ほかの人の所へ行きそうなのは透さんの方だよ。