第6章 〜本当の正体〜※R18
『そんな事しないです。ずっと傍にいます。あ、あと沖矢さんが一方的に恨まれてるって言ってたんですけど、そんなに沖矢さんの事、嫌いなんですか?』
零「ああ、そこまで聞いたんですね。嘗ては公安からもう一人組織にスパイとして入っていた同僚がいたんですけど、殺されたんです。沖矢さんにね。だから、嫌いなんですよ。憎いです。殺してしまいたい程にね。」
『そんなっ...。人殺しなんてダメですっ!第一、沖矢さんには彼女がいて、その彼女は私の親友なんです!』
零「知っていますよ。だから、殺せなくなりました。」
透さんは苦笑いをする。あぁ、本当に殺したいほど憎んでいるんだ。言葉の綾だと思っていた。そう言うものだと。でも違う。本当だった。沖矢さんを本当に恨んでいるんだ。
透「で?僕のこと許す気になりました?大っ嫌いなんて言われて結構ショックだったんですけど。」
『それは、嫌いなわけないじゃないですか。大好きですよ。浮気を疑ってごめんなさい。』
透「素直でよろしい。あ、僕のマンションはセカンドハウスって言って、捜査をするにあたって、用意された家なので、公安警察の書類とかは一切置いていないので、好きな時に来てくれて構いませんからね。でもベルモットが盗聴器を仕掛けているかもしれないので、気をつけて。」
『ベルモット?』
透「あ、この間の女の人ですよ。コードネームで呼び合っているので本名は知りませんが。僕のコードネームはバーボンです。でも、その名を気安く呼ばないように。」
『は、はいっ!分かりました!』
透「じゃあ、そろそろ僕は帰りますね。明日は大学へ行かなければならないのでしょう?」
『はいっ!で、でも泊まってくれても大丈夫ですよ?』
私は透さんと触れ合いたいと思い、大胆に誘ってみる。
透「嬉しいお誘いですが、お断りします。これから仕事なので。」
『え、仕事なら仕方ないですね。行ってらっしゃい。』
お誘いは撃沈した。玄関先で行ってらっしゃいと見送る。
透「そんな顔しないで下さい。今度たっぷりと可愛がってあげますから。覚悟しといて下さい。では行ってきます。」
『え、あ。行ってらっしゃい。』
少し透さんの言葉にん?ってなったけど、明日は咲璃愛との報告会もあるし、私はお風呂に入って眠りについた。