• テキストサイズ

【DC】きぼうのはな【長編&短編】

第5章 ~裏切り〜



翌日、咲璃愛を病院へ送り届けた後、私は病院からほど近い自分の家へと帰ってきていた。何もする事がなかった私は、買い物に行こうと思い、必要なものをメモにまとめた。

『何が無かったっけ、大尉のご飯は、あ、要らないのか。あとはティッシュと洗剤と、お酒と食材もいっぱい買い溜めしなきゃ。』

メモを取り、いざスーパーへ行こうとした時に咲璃愛から電話が来た。

『もしもし。どうだった?』

咲「やっぱり、妊娠してたよ。しかもね、双子だって!」

『ほんと!?それは楽しみだね!大変だと思うけど、私も支えるよ!』

咲「そうなんだけどさ、親にはどう言おうかと思って。あんまり会社とかに関わらないようにしてたけど、一応、私お嬢さんじゃん?」

それもそうだ。生む生まない以前に、沖矢さんとの関係や、出産の事を親に話す必要がある。咲璃愛のお母さんは心優しい人だけど、お父さんは少し怖い人だ。あまり会ったことはないけれど。

『私今からいつものスーパーに行くんだ、咲璃愛も来る?』

咲「うん!行く!こっちの方が近いから先に着くかも!」

『じゃ、また後で!』

咲「は〜い!」

私はメモを財布に入れて、携帯と財布だけを持ち、家を出た。少し歩くと、スーパーが見えてくる。スーパーの敷地内に入ると、咲璃愛の姿が見えた。

『咲璃愛!』

咲「あ、真恋音!来たね!じゃあ、早速行こっか!」

『うん!行こ行こ〜。』

私達は店内で色々なものを見た。必要なものを揃えて、会計を済ませた。

咲「ちょっと買いすぎたんじゃない?特にお酒。私はもう飲めないんだよ?」

『いいの。透さんに裏切られてショックだから、ヤケ酒するもん。』

咲「あんたって子はまだ、浮気かどうかも分からないじゃないの。まぁ、私も今日の夜話すよ、沖矢さんに。」

『じゃあ、明日は報告会しなきゃだね。』

2人とも、笑えなかった。真剣な顔をして、少しの苦笑いだけ。不安なのだ。私も咲璃愛も。なんて言われるか。まだ何も知らないことだらけなのに。

帰りは咲璃愛を家まで送り届けて、私は両手に大きな袋を持って家へ帰ってきた。あとは夜まで、透さんを待つだけだ。
/ 156ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp