第4章 〜気になる関係〜※R18
『それは、えっとこの間、咲璃愛に相談したんです。ポアロに行くの何故か緊張するし、安室さんと梓さんが仲良く話しているのにモヤモヤして、でも蘭さんにみんなに優しいですって、聞かされてホッとして。それを咲璃愛に聞かせたら、私が安室さんのこと好きだって言うんです。』
とペラペラと喋ると
透「それは本当ですか?」
と、安室さんは不思議そうな顔をする。
『ええ、全部本当の事です。初めての感情でしたから。だから、私も安室さんのこと好きですよ?』
透「それは嬉しいです。それでは今日から僕達は交際するって事でいいんですよね!ね?」
『それはそうなるんですかね。初めてなので分からない事だらけですから、いろいろめんどくさくなったら、いつでも離れていって結構ですからね。』
と、最初に注意すると、
透「付き合ったその日に別れの話するの辞めてもらって良いですか。」
と、安室さんに怒られてしまった。
『あっ、ごめんなさい!』
透「いいんです。そういう所も全て可愛いですから。」
『あの、あまりその可愛いとか、言われ慣れてないので、言われると恥ずかしいと言うか。』
透「じゃぁ、言われ慣れるまで、可愛いって毎日言い続けますね。」
それは困ると思っていると、安室さんが両手を広げてこちらを向いている。どうしたのか問いかけようとして、私はその両手に飛び込んだ。
『今のはこれが正解ですか?』
透「ええ、大正解ですよ。キスしても良いですか?」
『え?!あの、その。』
透「昨日もしたじゃないですか。真恋音さんは覚えてないかもしれないですけれど。あと、安室さんって呼ぶの辞めてください。透って呼んで下さい。」
『とお、る、さん。』
私は恥ずかしくて途切れ途切れで彼の名前を読んだ。そっと顔を上げると、嬉しそうな彼の顔。彼の両手が、私の頬を包むと、そっと顔が近づいてくる。キスされるんだと思って、私は目を閉じた。
チュッと彼のリップ音。柔らかい唇が一瞬だけ触れた。
透「これから、よろしくお願いしますね。真恋音さん。」
『こちらこそよろしくお願いします。透、さん。』
2人は笑い合った。
この時の私はまだ知らない。安室さんの正体や、本当の職業など。知る由もなかった────。