第2章 〜初めての感情〜
来たる土曜日────。
『咲璃愛お待たせ!』
咲「全然待ってないよ!早く行こう!」
『どこに行くか決まってるの?』
咲「もちろん!行きたいところリストにまとめてきたし、まずはお昼食べに行こう!」
行きたいところリストって。何件お店回るつもりなんだろ。
咲「真恋音はどこに食べに行きたい?」
『ポアロのハムサンド食べたい!この間咲璃愛にドタキャンされた日、一人で行ってさ、梓さんと安室さんに同情されて、サービスしてもらっちゃった!』
咲「あ、一人で行けたんだ!私にドタキャンされた事?」
『そうそう!オレンジジュースとね、新作のデザートを、安室さんにツケて貰った!』
咲「ツケって事は返さないといけないんじゃなくて?あの優男に限ってそれは無いか。」
あ、イケメンから優男にランクダウンしてる。これは沖矢さんと何かあった証拠だ。咲璃愛は昔から好きな人と進展すると、周りの男がカッコイイとかイケメン!から良い人とか優男とかにランクダウンするんだよね。これは聞いてあげなければ。
『早く行こう!研修のこといっぱい聞かせてよ?』
咲「はいはい。あんま聞いても楽しいもんじゃないよ?」
『それでもいいの、咲璃愛が居ない間寂しかったんだから。』
咲「私のこと、どんだけ好きなんだよ!」
『あははっ!めちゃくちゃ好き!』
そうこう話している内にあっという間にポアロに着いた。
リンリン────。
梓「いらっしゃいませ〜。」
『「こんにちは〜。」』
梓「あら、今日は仲良しなのね。」
咲「研修でこっちに1週間程居なかったもので。真恋音が寂しかったらしいです。」
梓「あら、真恋音さんてば、クールな印象なのに、案外可愛いところあるんですね〜。」
咲「ええ、ほんとに。ただの人見知りだと思いますけどね、仲良くなったら、可愛いですよ。」
私のことで盛り上がってる、咲璃愛を放ったらかして、いつもの窓際の席に座る。
今日は安室さん居ないのかなぁ。