第2章 〜初めての感情〜
咲璃愛の研修が終わって数日後、咲璃愛から連絡がきた。
ピコン────。
咲〈研修も終わった事だし、パッーと遊びたいから、1日休みの日ある?私は火曜と土曜!〉
《土曜日は1日休みなんだけど、朝から少しだけ用事がある!》
ピコン────。
咲〈まじか!11時位にいつものとこに待ち合わせはどう?大丈夫?時間的に無理なら昼からでも全然OK!〉
《11時はちょっと厳しいかも!12時なら何とかなる!》
ピコン────。
咲〈OK!じゃぁ、12時にね!連れ回すから覚悟しといてよ!〉
《了解!》
送信っと。咲璃愛の連れ回す宣言が出てしまった。この時はほんとに凄い位振り回される。こう言う時は大体家に帰り着くのが日付を跨いでからだ。
『どこに行くんだろ。ポアロにも行きたいなぁ。』
早く土曜にならないかな。
カリカリ────。
『あ、もうそんな時間?』
時計を見てみるといつもの時間だった。玄関に行ってドアを開け、りんに餌を与える。
り「んにゃ〜ん。」
『りんはいつもかわいいなぁ。』
いつも思うけど、首輪してるのに、こんな時間にご飯をねだりに来るんだよな。
『りんはどこの子なの?』
り「んにゃ〜お。」
『あは、猫に聞いても分からないか。』
近場で猫の迷子届けなんて見ないし、ほんとにどこから来るのかな。いつの間にかご飯を食べ終わり、にゃっと一言残して、りんは去って行った。
『うちのマンション、ペットは飼えないんだよな。』
可哀想だと同情してしまう。捨て猫なのかもしれないと。放し飼いされてるだけかもしれないし、勝手に引き取るのはまずいからな。
その日は、レポートをまとめて教授宛に送信し、お風呂に入って、ベッドに転がり、直ぐに眠りについた。