第17章 慰安旅行...?※R18
「ジョディは寝ぼけていると、誰かれ構わず襲う癖があってな。」
「失礼ね!」なんて言いながらも、満更ではなさそうな顔をして、「その時はごめんなさいね」なんて事を抜かしている。
「おい赤井、それよりうちの部下がお前に襲われるよりはマシだ。」
ずっと黙って事を見ていたのに、突然口を挟んできたのは降谷さんで。
「何故だ、俺はちゃんと理性も効くし、一ノ瀬に好意を抱いている降谷くんよりはマシだと思うが?」
(ん?なんだって?)
「何故それを!?」
「見ていれば分かる、ずっと一ノ瀬の事を目で追いかけ、褒める時は誰にも見せない笑顔で褒め称え、叱る時は誰よりも優しい目で叱っている。」
何の話をしているか分からないけど、降谷さんが何も言い返せなくなった所で、会話は終わり、私は赤井さんに手を引かれて部屋まで連れられた。
「あんた、本当に鈍感なんだな?気付いていないのか?」
「何をですか?」
「降谷くんは、君に恋をしているようだ。」
そんな事を言われても、私は絶対に信じなくて。
「絶対に有り得ないです。第一、私はその気持ちに応えられません。」
「何故だ?」
「何故って、私は誰の事も好きにならないと決めてるので。この職業である限り、恋人が足枷になっては、元も子も無いでしょう?」
「まぁ、君の言うことも一理あるな。まぁ、俺としては好都合だ。」
「はい?」
「君みたいな強情で、恋愛事も鈍そうな人は、絶対に処女だろう?」
この人は真顔でなんてデリカシーの無いことを聞いてくるんだ。実際そうだけれど。
「今の間はそうだな。俺は処女狩りをするのが好きでな。」
「赤井さんの性癖の話は良いですよ。」
「いや、だから、今夜君を抱こうと思っていてな。」
「そんな事を正々堂々と言われて、はいどうぞって言う、乙女がこの世にいると思いますか!?」
「ここに居る。君、見ている限りでは押しに弱いだろう?」
本当に押し強い人には確かに弱くて、はいっていつも答えそうになるけども。
「もう、私温泉入って来ます!」
「行ってらっしゃい。」なんて恋を知らない乙女でもキュンとするような笑顔で送り出されて、赤井さんみたいな男の人に、処女を奪われるならそれでいいかなー?なんて思っていた。