第17章 慰安旅行...?※R18
先月、公安にとってもFBIにとっても、大きな組織とカタが着いた。事後処理などで、猫の手も借りたいくらいの、目まぐるしい忙しさにヘトヘトになっていた頃、上からの命令で「少しは休みを取って疲れを癒して来い」と言われた。
(それは納得出来るけれど、何故にこのメンバーなの.....。)
旅行先に温泉地を選んだのは、公安からは降谷さんと風見さんと私。FBIからは赤井さんとジョディ捜査官だった。
「何故、赤井も一緒なんですか。」
「ま、まぁ。降谷さん落ち着いて下さい。ここにいる皆さんが温泉に行きたくて、今ここに居られるんですから。」
「風見は黙っていろ。俺は赤井と共に温泉なんか許せん!」
「降谷さん!」
(あーあ、先に行っちゃった。)
降谷さんと風見さんは先に行ってしまい、赤井さんは喫煙所で煙草を吸っている。
(ホント、自由だなこのメンバー.....。)
「一ノ瀬真恋音さんだったかしら?一緒に行きましょ!シュウ!置いてくわよ!」
そう声を掛けても、煙草の火を消す素振りも見せず、
「ああ、すぐ行く。」
と、一言だけ返事が返ってきた。
「あの〜、ジョディ捜査官。私達これからどうすれば.....。このままじゃ、慰安旅行も糞もないですよ。」
「大丈夫よ!何とかなるわ!」
「そ、そうですね。」
(楽観的だな〜、ホント大丈夫かなこの旅行。)
私はこの旅行でとんでもない事態になるなんて、この時何も考えてはいなかった。
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「えぇ!手違いで私の部屋がない!ど、どうしよう。」
宿のフロントで、5部屋取っている筈だったのだが、4部屋しか予約されておらず、私の分の部屋が無いという。
「なら、一ノ瀬さんだけ、ジョディ捜査官のお部屋に泊まられては?流石に男の私達と一緒になる訳にはいけませんので。」
「そうさせてもらいます。大丈夫ですか?ジョディ捜査官。」
「もちろんOKよ!」
そう快くジョディ捜査官に言って貰って、泊まらせて貰うことにした。のに.....
「いや、俺の部屋に泊まれ。」
突然そんな事言ってきたのは赤井さんで。
「なぜですか!?」