第14章 未来と共に※R18
そう続ける零は最後に、
零「あの時、真恋音に本当の話をして良かったよ。」
それから私達は他愛ない会話を続けて、今日は午後から、登庁だと言うので、零を見送った。
『さぁ、お迎えに行こうかな!』
そう1人で呟いて、私は家を出た。
幼稚園から帰ってくれば、まず2人におやつを与えて、大人しくしている間に洗濯物を取り入れて、畳む。
それからご飯の用意をして、零の帰りを待つ。零が帰ってきたらみんなでご飯を食べて、零に2人をお風呂に入れてもらって、読み聞かせをして寝かしつけ、零とベッドで二人きりになる。
零「俺、明日朝早いから、おやすみ。」
『うん、おやすみ。』
最近、何気ない幸せを見つけていく中で、零のだらしない所も含めて、全て好きになっていった。私は零の隣にいようと完璧にしてみせるけど、完璧にしなくていいんだぞ、と言われてしまう。
毎日、朝を迎えては、毎日同じことの繰り返しで、零のお仕事は、いつになってもずっーと忙しいままだし、子供たちにも寂しい思いをさせていると思うけれど、私は零を選んだことを後悔していないし、零もそう言ってくれている。
いつか、赤井さんと零の仲がある程度元通りになったら、咲璃愛の双子ちゃん達にも会ってみたい。きっと零はダメだと言うだろうけれど。
それでもいつかは、零が愛しているこの国が、ささやかな幸せと平和で満ち溢れる未来になることを、私も零も望んでいる。子育てに優しい国に、経済が回る国に、事件が起こらない国に。そう零も頑張っているから。
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零「真恋音、写真、現像してきた。」
そこには、私と零と由良と彪雅と3人目の小春と。それぞれが立派な正装している、家族写真。
『ありがとう、お部屋に飾っておくね。』
由良は大学生。彪雅は社会人。小春はまだ高校生だ。
大尉は一年前に他界。あとを追うようにお嫁さんの雪も息を引き取った。我が家には新しい、メインクーンの双葉と、雨がいる。零が悪質ブリーダーの潜入捜査先から、行く宛もない子達を引き取ってきたらしい。
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透「これからもずっと一緒にいて下さいね。」
『はい!ずっと一緒に居ます!』
~END~