第13章 〜希望〜
目を覚ましたかと思えば、いきなりプロポーズされて。でも零にはまだ重大な任務が残っていて。この1年も沢山の事があり過ぎて、もう言葉には出来ない程の不安と喜びがあって。それでも辿り着いた答えは、零と一緒に笑っていたい。
『零が私を好きになってくれて、私も零の事を好きになれて本当に良かった...。』
本音をポロリと、口にして、
零「俺もだよ。真恋音が俺を好きになってくれて、俺も真恋音の事を好きになれて良かったよ。」
零からも同じ言葉が返ってきて。
『オウム返しじゃんそれ...。』
零「良いんだよ、なんでも。今が幸せなら。」
本当に毎日が幸せで。私は知らない世界的な犯罪組織なんて、本当に無かったかの様に、零がいつも側にいて。笑いあえて。
それが当たり前になった頃────、
『由良〜、今日パパが帰ってくるよ。』
由『ぱぱあ?ママいやっ!ぱぱあ!』
案の定、たま〜に帰ってくる零の事が大好きになってしまった由良。私の事は怒るから嫌いで、パパは怒らないから大好きらしい。
『でも、ママのゆう事聞かないと、パパは帰ってこないよ。』
由「パパなんなーい?」
『そう、なんない。』
由「いやー!ママきくー!ぱぱあ!」
毎日手がやける程の、暴れん坊お姫様に育ってしまった由良。長男の彪雅は、気が弱く由良の行動ぶりにビクついている。零は男らしく育って欲しいみたいだけど、私的には今のままの方がいい。由良で手がいっぱいだ。その二年後には本物の暴れん坊将軍が出来上がる訳だけど。
ガチャっと玄関が開く音がして、ただいまーと言う声が聞こえた。眠っている彪雅を置いて、由良を抱っこして、玄関に向かった。
『おかえりなさい。』
由「かえりー!」
零「はいはい、ただいま。」
手を伸ばした由良を、荷物を降ろしてから抱き抱えて、おかえりなさいのちゅーをした。
『由良だけずるい。わたしも。』
零「真恋音には、由良には出来ない奴。今日の夜してあげるから。」
子供の前でなんて事って思って、由良にはまだ分からないか。零をニコニコしながら見上げて、ぱぱあとずっと言っていた。