第13章 〜希望〜
入院している間に、看護婦さんや先生に、授乳の間隔や、おむつ交換、沐浴の仕方を叩き込まれた。厳しく叱られたりもあったけど、なんとか、全てのことが自分で、出来るようになった。
そして退院の日の朝を迎えて。お祝いの品を病院から沢山頂いて、私達は病室を後にした。
『どう?かわいい?』
零「殆ど家に居ないから、嫌われないかどうかが心配。」
『大丈夫よ。毎日、零の写真を見せて、パパって事を教えてあげるね。』
零「それにしても、本当に俺達を足して2で割った感じだな。」
由良は、髪の色は綺麗なクリーム色で、肌の色は色白。目はパッチリ二重で瞳の色は青色だった。
『どこかの国のお姫様みたいだね。』
零「嫁に行かせたくない。」
『馬鹿な事言ってないで、早くお家に帰るよ。』
零「あぁ。」
私は由良を後部座席のチャイルドシートに乗せて、由良の隣に乗った。
零「助手席に真恋音が居ないのが違和感感じるな。」
『暫くは我慢だよ。由良が心配でしょ?』
零「まぁ、そうだけど。」
病院からは家までの距離は差程遠くなかったので直ぐに着いた。
『久しぶりの我が家〜。』
零「あぁ、おかえり。大尉と雪はペットホテルに預けてるんだ。」
『お迎えに行かないと!』
零「良いよ、真恋音はゆっくりしてて。あんまり動いてると、早めに更年期が来るぞ。」
そう押しとどめられて、リビングのソファに座らされた。何か飲むか?と聞かれて、それくらい自分で出来ると思ったけど、動いたらダメだって、目で言われている気がして素直にする事にした。
『由良におっぱいあげてくる。』
授乳している間に零に電話が掛かってきて、席を外された。
『お仕事の電話かなぁ。』
ガチャとドアを開けて入ってきた零に私は聞いた。
『結構な長電話だったね?お仕事?』
零「いや、家が出来たよって、電話。引っ越しは来月位には大丈夫だってさ。念願だったろ?家族でマイホームに住むの。」
『うん!うれしい!』
本当に嬉しくて涙がポロポロと出てきた。
零「泣く程か?」
『だって、一年前は考えられない事を零が叶えてくれたから。』
そうだって一年前、零は寝たきりで目も覚まさなくって。