第13章 〜希望〜
陣痛に耐えながら何とか朝になったけれど、どんどん痛みが酷くなって来ているのが自分でも分かる。
医「ちょっと見せてね、大分いい感じね〜、陣痛の感覚もちゃんと短くなってるし。もうそろそろかな〜、後4時間位かな。まだ大丈夫そう?」
『少ししんどいです。』
医『陣痛にも個人差があってね、酷い人は本当に叫んだりするけれど、痛みに強い人は本当にすぽん!って産まれてくるからね。何かあったらすぐに呼んでね。』
『は〜い。』
お医者さんに色々言われてから、零を起こした。
『零〜、起きて!もう朝だよ。』
そう声を掛けると、直ぐに起きてくれた。
零「んっ...。ふぁ...。おはよ...。大分寝てた?」
夜中の2時すぎに寝てから、今はまだ7時。
『ううん、4~5時間位しか寝てないと思う。』
零「あれからどう?」
と、眠たそうな目を擦りながら、零は聞いてきた。
『少し痛みが強くなってきてる。酷いのが来たり、少しだけ軽いのが来たり。』
正直にそう言うと、そうか、と眠そうな声を出した。
『ごめんね?まだ眠たかった?』
零「いや全然。陣痛来たら教えてよ、腰摩るから、もう流石に痛いだろ?」
『うん、ありがとう。感覚短くなってるから直ぐに来ると思うよ。あ、きたかも。』
さっきまでかなりの痛みに感じていた陣痛が、零が腰を摩ってくれるだけで、大分マシに感じた。
零「ここら辺であってる?」
『うん、そこで大丈夫。もう治まったよ』
零「まだ産まれそうにない?」
『お医者さんは、後4~5時間って言ってたけど、分かんないね。』
そう先生に言われた事を零に伝えて、2、3時間くらい、零に腰を摩ってもらいながら、陣痛に耐えていた。
『い、たい...。はぁ..。』
零「大丈夫か...?」
『はぁ...。うん、平気...。』
ガチャっと扉の開く音がして、看護婦さんが部屋に入ってきた。
看「どう?ちょっとだけ、お尻見せてね〜。あら、大分いい感じね〜。どう?降谷さん?いきみたい?まだ、ダメそう?」
お股を覗かれて、自分でもかなり、違和感があって、もう頭が結構下の方に来ている感覚があった。
『もう、いきみたいです...。』
私は痛みから解放されたい一心で看護婦さんにそう伝えた。