第4章 誘拐
「はぁ………はぁ………」
肩で息をしているジャーファル。
その口元は笑っているように見えた。
(一体………何が起こったの………?)
訳がわからないままに、ボーっとしていると
ジャーファルがこちらを向いた。
「あ…………ジャ………ジャーファ…………ル?」
「………………レイラ…………」
初めて名前を呼ばれたような気がした。
少し感動していると、ジャーファルが前のめりに倒れた。
「ジャーファルっ?!!」
慌てて抱き起こしに行く。
肌に触れると、とても熱かった。
(こんな状態で…………!!)
ここはどこかもわからない。それに、うちの力では運んでいくのはまず無理だ。