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友達のナリカタ【十二大戦】

第4章 和平交渉


ナーバスになるのはここまでにして。

同時進行している計画も始めるとしよう。それは料理だ。あの時は彼に振る舞うことは無かったが更に腕前を上げ提供できるよう練習しておくべきだろう。この際だ菓子だけではなく和洋中、全て網羅してみせようではないか。味覚がないディスアドバンテージなど逃げること以外やることが無く時間が有り余ってるニートな私には皆無に等しい。

時計の針は5時を指している。買い物に行く時間としては最良であろう。

「まず、料理本を買って調味料を買って…金が足りるか心配だな。最近、出費が激しい」

財布の中身は寒々しかった。服代とか服代とか材料費だとか服代とか宿代とかで浪費していたからな。殺された数だけ服も死ぬ(汚れる)。憂城に請求するか?(一方的に)喧嘩中だから無理だな。問題は山積みだ。

私が今、身を置いている場所はヨーロッパ圏内のギリギリ町とみなされる場所である。貧富の差は少々あるものの治安はそこまで悪くない。スラムはあれど近くに戦地もなく暮らしやすい部類の場所であろう。黒い噂はあるがな。しかし、黒い噂は世界に蔓延しているもの気にしても消えるものではない。

そこそこ活気のある売り場で粗方の買い物を済ませ宿を目指す。すると背後から聞き覚えのある声が私を呼び止める。

「おっ、見覚えがあると思ったら」
「久しぶりじゃねぇか、カモネギちゃん」

振り返れば鏡合わせにしたかのように良く似た双子の兄弟。同じ二つの顔が獲物でも発見した獰猛な獣のような笑顔を向けてくる。彼等は断罪兄弟。私と彼等の歴史は長い。黒い的な意味で。

「君等か」
「なんだよ。俺様に会ったのにその素っ気ねぇ態度は一緒に稼いだ仲じゃねぇか」
「そうだ!そうだ!もっと再会を喜んだらどうなんだ?」

いや、一緒に稼いだもなにも。君等は私を撒き餌にした上、相手諸とも私を燃やしたと記憶しているのだが?それか私を組織に売り飛ばしたり。売り飛ばしたりとかしか君等してないんだが。しかも稼いだ金銭を受け取った記憶もない。つまり彼等の仲はそう言う仲であった。信頼とか友愛とか程遠い関係である。

「君等、記憶障害なんだろうか?」
「相っ変わらず物怖じけねぇ奴だな」

断罪兄は呆れた風に返した。
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