第1章 大穴の街オース
リコ)いかなるとにも空の果てを指し示す不思議なコンパス…星の羅針盤。
手の届かぬものへ導くその針には実のところもうひとつの意味があったのです!この針が誘っていたのは遥か空の果てではなく実はその正反対この星の底!奈落の果てを指していたのです!
そんな物語じみた話をしているのはリコ。まぁお馴染みなのだが。
ナット)またか…
シギー)また始まったね…
『まぁ…いつも通りだね?』
そんな風に私たちがなれた風に言っていると
リコ)そう!始まっていたのです!そして!みごと解き明かされたのです!この《星の羅針盤》の真実が!
ナット)ああ…うん。
シギー)リコはよく《思い付く》よな真実。
『そうだねぇ昨日は《これは坂の角度が正確にわかる道具なのです!》っていってたね。』
シギー)あったあったそれで転がって逃げた真実を追いかけていたよね。
するとリコは顔を赤くしていた。
リコ)あの真実は…その…ロマンが足りなかったから無し!
ナット)真実はそんなにふわふわしてねぇよ。
シギーは大きな声で笑い出す。
リコ)でも今回のは!
ナット)いやいやいや!大体方角じゃねぇんだから上か下かなんてそんなん使わなくたってわかるだろ…
『あはは…』
まぁそりゃそうだ。空は上にあってアビスは下にあるのだから…
リコ)…ん?果たしてそうなのだろうか?
キユイ)さー?
『あは!私はそういうリコの考え好きだよ?』
リコ)!…ラル…!本当にいい子っ…!
『あわあわっ』
ナット)…おいラル甘やかすなよ
『ぷはっ…いいじゃない?夢があって素敵でしょ?』
ギューギューと抱きついてくるリコを撫でながらナットの呆れ顔みて少し苦笑いになる。すると…
「おーい赤笛たち!手紙の配達頼む!」
ナット)はい!ただいま!
シギー)手紙?
『もしかして調査隊の電報船届いたのかな?』
ナット)まじか!役に立たねー真実はほっといていこーぜー!
リコ)あっ!ちょっ…!
ナットとシギーがバタバタと走り出す
リコ)何よー!もう見せてあげないんだから!
ナット)見せびらかしてると遺物をちょろまかしたのが院長にバレてまた、お仕置きされるぞ!あはははは!
リコ)!?ぐぬぬぬぬっ…小賢しい少年どもめー…
『…リコ?またちょろまかしたの?』
リコ)いぐっ…!?…さっさて私も配達いかなくちゃぁ…
『…リコぉ…』
