Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第5章 激情
「ローは朝のミーティング中よ?何時戻ってくるかな。日によって違うから分からないわ」
ステラはまだ何か言いたげなナツに綺麗な微笑みを向けると、部屋の扉をに手をかけた。
院長室から続く廊下の先で、視線の先に何かを見つけたらしいステラが楽しそうに口元を歪ませる。
「じゃ、どうぞごゆっくり?」
そういって閉じられた大きな扉。
ナツは意味が分からず、暫しその場に立ち尽くしていた。
害はなさそうだけど、アレもアレで一癖も二癖もありそうな気がする。
院長の事が好きな故に、最近彼にちょっかいを出されている自分に辛くあたる看護師達は
迷惑でこそあれ全うな恋愛感情なんだろう。
でもあの人、ステラはどうだ?
院長室で半裸で寝ていた彼女は恐らく、それまでローと体を重ねていたのだろう。
正看護師と言う謂わば正妻のような立ち位置にいる彼女が、夫が最近手を出した愛人に笑顔を向けるという奇妙な行動。
(いやいやいやそんな事今考えてる場合か!!いないなら好都合、さっさと私も戻ろう!)
ナツは正気に戻ると荷物を机の上に置いた。
部屋全体は物が少なく綺麗に整っているが、机の上には積み上げられた資料と確認途中と思われる書類が散らばっていた。
夜遅くまで仕事をしていたのか?
そこだけ整頓が行き届いていない部屋の様子に、そんな考えがナツの頭を過った。
よく見れば医学書や文献が部屋の至る所に配置されているし
流石に院長室に住んでることはないのだろうが、それなりに家具も整っていた。
そして視界の端に映ったベッドに、ナツは慌てたように扉へと駆け寄った。
恐らくあの場所で、色々な女性と交わっているのだろう。
ナツは先日己が受けた暴挙を思い出し、早くこの場を立ち去ろうと扉に手をかけた。
折角忘れようとしていたことを、思い出してしまう。
部屋に残る彼の香りも、そこに存在するベットも、何もかもがナツの心臓をざわつかせた。
「……あっ…」
しかし、ナツが扉を開くより先に開かれた扉。
その先には、今一番会いたくなかった
院長の姿があった。