Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第5章 激情
「あら、おはよう。」
半裸の美女、もといもう一人の正看護師であるステラが
院長室のベッドの上で、気怠い雰囲気を身に纏いながら起き上がる。
そして散らばっていた衣服を身に着けながら、悪意のなさそう笑顔を浮かべナツに話しかけてきた。
「あなたがナツちゃん?ふーん。そっかぁ」
無遠慮に注がれる視線に、フリーズしていたナツは少し後ずさった。
扉の向こうは、知らない世界でした。
いや、知りたくない世界でした。
院長は半裸の美女を私に見せつけるために呼んだのか?
ちょっとまて、随分と手の込んだ嫌がらせだなおい。
院長は日々新しい嫌がらせを考案する看護師達を、実は羨ましくでも思っていたのだろうか。
確かにこれは斬新だ。
でも十分間に合っている。頼むからこれ以上私を悩ませるな。
「どうしたの?そんな驚いた顔して。あ、もしかして私??ごめんね、早く出てけって言われてたのに」
寝ちゃってたみたい、と可憐に笑うこの美女は
一見他の看護師達とはまた違う人種なように思える。
なんだか私に対する敵意や悪意を感じない。
こうして院長室のベッドで半裸で寝ていて、正看護師の地位に就いているくらいだ。
普通の人ではないんだろうけど。
ナツの内心を悟ったのか、ステラがそう教えてくれながらナース服に身を包む。
「い、いぇ」
リアクションに困り微妙な反応しか返せない。
色々カオスな状況が混雑している。
一体どこから突っ込めばいいんだ。
ナツが頭を抱えていると、ステラはベットから降りて髪を束ねていた。
1つ1つの仕草に色気を感じさせる彼女は、まさにローとお似合いだろう。
他のトップ二人の看護師も十分美人だが。
「ローはあなたが来るのを、あまり期待していなかったみたい」
ステラは身なりを整え終わると、ナツの横を通り過ぎて扉へ向かう。
すれ違った際ふわりと、甘い香水の香りが鼻腔を擽った。
そうだ、肝心の本人はどこに行った?
確か不在と言っていた。
でも院長室には半裸の美女。
院長は居なかったものの、とんでもない置き土産と遭遇してしまった。
ナツの頭は混乱を極めた。