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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第5章 激情


お昼休みは散々だったが、その後の午後の業務は平穏に過ぎて行った。
外来客も、今日は比較的少ない気がする。




「ペンギン先生!アレ!あそこの自販機が良い!!


エレベーターホールから聞こえてくる男の子の元気な声。
ナツが声の方に目を向けると、ペンギンが車椅子に男の子を乗せて受付ホールに姿を現した。
もう一人、ペンギンと同じ繋ぎを着た男の人がその後ろを着いて来ている。

危ねぇから乗り出すなと注意するペンギンに、男の子は満面の笑顔で答えていた。


「やっほー」

「あれペンギン先生の彼女!?」


ひらひらとナツに手を振るペンギンに、活発そうな男の子は身を乗り出して食いついた。

随分懐かれてるようだが、ヤツは何しに来たんだ。

ナツは無表情のまま手を振り返すと、ペンギンは先ほど指定された自販機の前に男の子を連れていき、車椅子のブレーキをかけた。


「ナツさん?ですよね」

「え?ああ、はい。どうもナツです」


いつの間にか移動してきた彼は、ペンギンの部下らしい。
この人がいつもサボりまくる上司に苦労してる噂の部下か。

御愁傷様です。

ナツは心の中で気の毒な彼に手を合わせた。


「部長、カッコいいですよね。今日もあの子がどうしてもペンギン先生じゃなきゃリハビリしないって言い出して。それで今朝急遽お願いしたんです」


今朝の電話はそれだったのか。
なるほど。

ペンギンは男の子の脇に手を挟んで立ち上がらせると、覚束ない足取りの彼を支えながらお金を渡し、それを男の子に投入させている。

なんだ。
あれ、リハビリの一環か。


「俺らの管理や上との折衝で忙しいのに、いつもこうやって助けてくれるんです」

「不真面目だと思ってたけど案外真面目なんですね」


ジュースを取り出して笑顔になった男の子の頭を
よーしよしよしよしよしと
ムツゴ○ウさんばりに撫でるペンギンは

まるで少年みたいな顔をしていた。

若い女の人じゃなくても、ちゃんと仕事するんだ。
今日はなんだか、ペンギンのイケメン度を上げる日らしい。
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