Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第4章 思い
ナツが中庭から院内へと足を踏み入れると、そこには待ち構えていたらしき看護師軍団。
「ちょっといいかしら?」
看護師軍団の中央に立つ漆黒の美しい髪を持つ美女が、鋭い視線をナツに向けた。
彼女こそ、正看護師の1人であるリデルだ。
ナツが足を止めると、行く手を阻むかのようにそれを囲む看護師達。
「なんですか?」
ナツは身を隠す前に勝手に登場してきやがったその集団にマジかよと内心舌打ちを漏らす。
ここはなんとか穏便に済ませよう。
「立ち話もなんだわ。場所を変えましょう」
リデルの提案には嫌な予感しかしない。
取り合えずついて行こう。
そして何かあれば強硬手段に出よう。
手を出すつもりはないが、向こうから仕掛けてきたらやむを得ない。
正当防衛だ。
というか何故明日まで待ってくれなかったんだ。
ナツが連れてこられたのは使われてない物置。
最後尾の看護師が部屋に入るなり聞こえてきた、部屋の鍵をかける音。
なんとも古典的な呼び出し方に、ナツは肩を落とした。
定番コースだと……
ここでボロクソ言われるか?
男同士なら殴り合いとかか。
もしくは全裸の写真とか?
……ははは、まさかそんなわけ…
「……っ!」
笑えない今後の展開予想に自分で自分に突っ込みを入れていると、いきなり伸びてきた多数の腕がナツを地面にうつ伏せに倒した。
咄嗟に受け身をとった為痛みはそこまでないものの
起き上がろうとしたナツの体をリデルが押さえつける。
「あなたがそれなりに力があるのは知っているわ」
「……は?」
まさかの殴り合いのパターンに驚いたが、それよりもナツを驚かせたのはリデルの強さだ。
その辺の男には負けない自信のあったナツは、リデルを振り払えないこの状況に焦りを感じた。
一対一なら勝てたかもしれないが、彼女には他の看護師からのアシストもある。
ナツは舌打ちすると、身を捩ってリデルを睨みつけた。